コンパス幼保園 船橋校
園長 ケンケン先生
2020年4月に開校するコンパス幼保園船橋校の園長を務めるのは、ケンケン先生。保育士の免許はなく、調理師として子どもたちに食育を中心に乳児教育に関わるケンケン先生に開校に向けたお話を聞きました。
―ケンケン先生が料理の道に進んだきっかけや経緯を教えてください。
学生時代は経営学を専攻していたのですが、一方で、アルバイトを通じて飲食業そのものに興味があって、25歳のときに、和風パスタチェーン店で社員として働き始めたのがきっかけです。2年弱で店長になって、調理や仕入れはもちろん、接客や求人をシフト管理を始めとするアルバイトのことなど様々なことを学びました
―かなりの激務だったと思いますが、長年に渡って続けられた原動力は何ですか。
私のお店は、カウンターキッチンタイプの店舗でして、調理をしていると席に座っている子どもたちがマジマジと見てくれるのです。わざとフランペで大きな火を起こすと、喜んでくれて、そういうのがとても嬉しかったですね
―愛する仕事でしたが、10年間で退社することになったそうですが。
祖母の介護があり、父親だけに任せてはあまりにも負担が大きいと感じました。当時は、週1日しか休みがなかったですし、勤務時間も長かったので、学校給食を委託されている会社に転職しました。当然、土日が休みですし、時間も規則正しかったので、介護と仕事を両立させることができました
―お店と給食では何が違いましたか。
小学校を担当していたのですが、やはり廊下で子どもたちと話したり、給食室を覗きに着てくれたりと、触れ合えるのが楽しかったですね
―その後、独立されたそうですが。
5年間ほど給食業務に携わった後、祖母の介護も落ち着いたところで、ようやく自分の道を進めるようになりました。自分のお店を持ちたかったのですが、まずは勉強しようと思って、イタリア料理のお店で修行を始めました。まずは、ソース作りなど基礎から始まって、毎日がとても新鮮でした。ある程度まで習得したので、船橋でお店を出して、独立しました。そして、開店から4年ほど経ったころ、ある人の紹介で知り合ったのが、島田キャプテンでした
―どんな出会いでしたか。
私はプロレスや格闘技を通じて島田キャプテンをレフェリーとして知っていたので、最初はとても緊張したのを覚えています。それに、幼保園を開校するということにとても驚きました。しかし、世界レベルでの戦いを誰よりも近く見てきて、ハングリー精神や家族愛にあふれる海外の選手たちから、世界で通用する人材を育成するには、正しい乳児教育が必要不可欠という、コンパスの教育理念や島田キャプテンの考えにとても感銘を受けました
―そして、驚きの言葉をいわれたそうですね。
2回目くらいにお会いしたときだったと思います。私の経歴を知って、「じゃあ、コンパスで働いてよ」っていわれたんです。当時は、お店もやっていたし、なんてこと言うんだって思いました(笑)でも、言葉にされると響くっていうか、心に残ってずっと考えていたんです。そして、しばらくして、テナントの関係もあってお店を一旦閉じようと思ったこともあって、島田キャプテンに連絡して、船橋校の園長をすることになりました
―コンパスでのお仕事はいかがですか。
これまで学校給食やカウンターキッチンでの業務をしてきましたが、これまで以上に子どもたちとの距離が近くて充実しています
―仕事をするうえで気をつけていることを教えてください。
イタリアンでは、ステーキをレアで焼くなんて当たり前ですが、ここではまず安心安全が先です。一つ一つの料理に完全に火を通して、安全に配慮すること。また、子どもたちは“にんじんが嫌い”とか“ピーマンが嫌い”っていう年齢でもないんです。気分が乗らなければ食べてくれないし、まずは食に興味を持ってもらうこと、食事とは楽しいことなんだと知ってもらうことが大事です。そして、それを伝えることが現在の課題であり、取り組んでいることですね
―子どもたちに食に興味を持ってもらうにはどうしたら良いのでしょう。
例えば、おままごとやお店屋さんごっこでも食というテーマがありますので、そういったお遊びを通じて興味を持ってもらうことも大事です。また、身近な大人が一緒に御飯を食べることや、“美味しいね!”などと気持ちを伝えることも大事だと思います。いまは、共働きなどもあって、朝食を一緒に食べるのが難しいなど事情があると思います。私も園長としてはまだまだ新米です。でも、“子どもたちに食に興味を持ってもらう”という課題に対して、真摯に向き合っていきたいと思いますし、料理人としてのキャリアを活かして、時短できる朝ごはんの提案などを保護者の皆様にしていけたらと思っています
―ケンケン先生の夢を教えてください
振り返れば、様々なお店や業務を通じて、料理人として修行をしたり、従業員の管理や、お客様と接することなどを勉強してきました。また、子どもたちと触れ合う機会も多かったと思います。その全てが、このコンパス幼保園での仕事に繋がっていると思いますし、運命めいたものも感じています。子どもの多様性や、時代によって食育は変化していきます。そのなかで、常にチャレンジを続けて、高い水準と教育の鮮度を保ちたいと考えています